法人化は良いことばかりではない。
法人化すると、まず、設立するのに、最低でも26万円ほどの費用がかかります。そして、決算が赤字であっても法人住民税の均等割7万円を支払わなければなりません。事務負担が増して、税務申告にはプロの手を借りる場合が多く、そのときは、税理士報酬も必要になります。決算の公告義務があり、これにも、お金がかかります。
法人税率は資本金が1億円以下なら、法人の課税所得が800万円以下のときには、15%の一定であり、800万円を超えたら25.5%に上がります。そこで、税金面の負担を軽くしようと法人化を考える事が多いようです。しかし、これは、利益が予想通りに出た時だけに、うまくいくのであり、もし、利益がでなければ、個人事業主のままのほうが安かったということになります。
個人事業と法人では、人格が相違します。法人化する場合、個人事業は廃業手続きをし、法人ということで、新たに様々な届け出が必要になります。商号や屋号の変更届けだけではすみません。まったく違う営利団体としてのスタートになってしまうのです。
法人化すると、個人事業ではあり得なかった様々な費用と手間がかかってきます。毎年の税務申告を行うときに、赤字でも払わなければならない法人住民税の均等割という税金があります。法人都道府県民税均等割が20,000円と法人市町村民税均等割が50,000円で合計70,000円を毎年支払うことになります。それから、社会保険への加入が義務付けられます。健康保険と厚生年金の保険料を支払うことになりますが、金額は国民健康保険と国民年金に比べて高く、給料に応じて決まります。支払いは会社と従業員の折半となります。事務負担も増加しします。会計処理は会社法に則って処理を行う必要があり、申告書も所得税の確定申告とは違い複雑になります。他にも会計処理や法人税申告、社会保険や労働保険の手続き、登記事項の変更など会社組織に関する手続きなどです。株式会社にすれば、定時株主総会の開催や議事録の備え置き、役員の改選などの事務手続きがあります。定時株主総会終結後は遅滞なく「貸借対照表」を公告する義務が生じます。官報で公告を行う場合は約6万円の費用がかかり、怠ると100万円以下の過料に処せられることになっています。中小企業者にとっては、大きな負担になることも少なくないようです。最後に、もし、会社を廃止するとなっても、廃止の費用がかかってきます。解散登記に30,000円と清算結了登記に2,000円かかります。
個人事業主の節税対策を考えるなら、何はともあれ「経費」を一通り見直してみましょう!「事業に必要な支出」が経費として認められるわけですが、個人事業主にとって事業に必要な支出とはどのようなものが該当するのでしょうか?逆に、「経費に出来ないもの」として何か決められている項目はあるのでしょうか?ざっと目を通してみましょう。もしかしたら、今まで計上していなかったけど、実は計上できるような経費が見つかるかもしれません。 個人事業主で経費に出来ないものの詳細を見る
個人事業主の退職金といわれる、小規模企業共済を知っていますか?個人事業者が事業を廃止したときのために積み立てておける共済制度です。掛け金は毎月1,000円という小さな額から設定できて、500円単位で増額できます。この小規模企業共済の掛け金も、控除の対象になるのです。共済金として積み立てたお金は後で自分に戻ってきます。税金として支払うよりも断然お得ですよね。個人事業主の賢い節税対策として、使える控除は使いましょう。 個人事業主は小規模企業共済でお得に控除の詳細を見る
個人事業主から法人化を検討するにあたって、税金はどう変わるのか?というのも大変気になるポイントですね。法人になれば当然、税金のルールも仕組みも変わってきます。法人化することによって納税額が増えるケースもありますし、どちらがお得かは一概には言えません。まずは、個人事業主の税金と法人の税金、それぞれの違いについて理解を深めておきましょう。法人化することで得られるメリットとデメリット、そして税金の差などをよく比較検討することをオススメします。 個人事業主と法人の税金の違いの詳細を見る